ホッとコラム②―大家さん一家と見た、日食の思い出―

コミュ仁(えんまん七福仁コミュニケーション担当)のホッとコラム②

EnMan 事業戦略推進室スタッフによるコラムです。
季節の事柄や日常で気になったことなどをつぶやきます。
仕事の合間に肩の力を抜いて、気軽にお楽しみいただけるコラムがお伝えできれば…と思います。

やわらかな陽射しに春の到来を感じる季節。今年は桜の開花も早そうです。
そういえば、空をゆっくりと見上げたのは久しぶりな気がします。
今日は、日本中が空を見上げていた金環日食の日のお話です。あの日、あなたはどこで誰と空を見上げていましたか?

大家さん一家と見た、日食の思い出

10年ほど前に、「太陽が大きく欠ける日食が、珍しく日本全国で見みられる」と大きな話題になったことがあります。日食を安全に見るために、光を遮るプレートがついた日食メガネが飛ぶように売れ、あちこちのお店で売れ切れ。日食を見るために、離島に行く人がテレビで取り上げられるなど、一大ブームになりました。

昔からプラネタリウムが好きで、天体ネタには目がない私は、2週間も前から日食メガネを用意。どこからどう見るかといったシミュレーションをしてしっかり準備をしました。日食当日は、一人暮らしをしていたアパートの外、太陽が良く見える場所に立って、今か今かと日食を待ち構えていました。

待ちに待った日食が始まる時刻。日食メガネをつけて、空を見上げると…少しずつ太陽が欠けていきます。初めて見る本格的な日食に大興奮!食い入るように空を見上げ続けていると、「見ているところ、悪いんですけど…」とアパートの大家さんがお孫さんの男の子二人の手を引きながら、申し訳なさそうに声をかけてきました。

もしかして日食に夢中になるあまり、通行の邪魔をしていたのでは…と思い謝ろうとしたところ、日食メガネを買いそびれてしまったので、ちょっとの間貸して欲しいとのことでした。いつも気さくに接してくれる大家さんに、「おとつい、孫に日食を見たいって言われて探したんだけど…」としょんぼり言われて、貸さないわけにはいきません。

「お孫さんとどうぞ」と日食メガネを手渡すと、男の子たちは大はしゃぎ!お兄ちゃんが弟に譲ってあげて、まずは弟が日食を見ることに。日食メガネをつけて空を見上げたとたん、「すごーい」と大喜びしていて、とっても可愛いかったです。ちょっとしてから、「俺も、俺もー!」と言うお兄ちゃんにバトンタッチ。こちらは、「すげえ、本当に欠けてる…」と自然現象に圧倒された様子。お兄ちゃんから、「おばあちゃんも!」と日食メガネを渡された大家さんも、「すごいねえ。初めて見る」ととっても嬉しそうでした。そんな大家さんとお孫さんたちを見ていると、なんだかほっこりとした気分に。一人で日食を見るのも楽しかったけど、思いがけず大家さんたちとわいわい見られて、楽しさもひとしおでした。

日本中のいろんな場所で、こんなふうにみんなが空を見上げているのかなんて考えているうちに、日食の時間は終了。短い時間の出来事でしたが、あの日の日食のことを思い出すと「大家さん元気かな」「お孫さん大きくなっただろうな」と懐かしい気持ちでいっぱいになります。